出発点。

2024年04月28日

言葉の意味には必ず文脈があります。

いわゆるパワーワード的なものって
強い言葉なので、それが前面に出過ぎてしまって、
文脈を断ち切ってしまいがちです。

文脈を断ち切られた言葉。
何が起こるかといえば、
そこから勝手に受け取ったイメージを
自分勝手に解釈しなおしてしまう。

よくあるのが、切り取り報道というやつです。
言葉尻を捕まえて、
あーだこーだ言い合う。
不毛です。

そういう意味でも、
原典をよく読むことはほんとうに大事。
特に日本では。

 
元々英語圏のものなので、
翻訳問題が出てきます。
つまんだ言葉しか知らないこともあります。
自分の関心のある言葉を、
自分の関心のある分野の文脈で
解釈してしまうことも起こりそうです。

時代背景も考慮する必要も出てきます。
アレクサンダーさんが生きている時代は
戦争問題が身近にあり、
そう言った観点から発言しているものもあります。

日本では「方向性」と言われている言葉も、
元々は「オーダー」と言っていたようです。
しかし、「オーダー」は軍隊用語っぽく聞こえるらしく、
アレクサンダーさんたちが協議した結果、
「方向性」という言葉に落ち着いたようです。

「オーダー」と「方向性」。
もちろん決めた当時は同じことを言っているという
自覚がありながら使った言葉だったでしょうが、
そんなものは忘れ去られていくことが普通です。

何が違うのでしょう。
「方向性」には矢印が付き纏っていて、
どこか人任せにもできるような印象があります。
こっちの方に行ってねとか、行って欲しいなどと言えてしまいます。
「オーダー」は自分でオーダーするので、
自分からの発信です。
自分でやる。順序立ててやる。

この重要な言葉一つとってみても
日本語にすると印象が変わってしまいます。

言葉はそれぞれ母語として持っているものを使って
生活していると、そこに何かしらがくっついてきます。

くっついているものが、
その人をその人たらしめているのですが、
他の言語で育ったものを学ぶ場合、
意識的にその溝を埋める必要があります。

ですが、
アレクサンダーテクニークを学ぶときには、
そんなに大きな壁ではないかもしれません。

徹底して、
自分というものから出発するテクニックだからです。

その経験をもとに、
前回の記事でも書いたように、
著書に書かれているものを通して
実感し、確かめ、進めていくことができるからです。

ここを見落とすと、用意された正解っぽいものを見て、
あれもほんとだ、これもほんとだ、
と言ってキョロキョロすることになります。

いつまでも、何かにすがってしまいます。
あらゆるものの一問一答の知識を仕入れて
束の間の安心感を得ることにもなるかもしれません。
権威あるもの、解剖学や生理学やその他諸々を借りて
「ほら、こんなこと言ってるから、これはほんとなんです!!」って。

もちろん私がやってきたことです。
その言動には実感や経験が伴っていませんでした。
自分で確かめることも、しているつもりでしかなかった。

誰かが言ったことは
その誰かの解釈がどうしても入ってしまいます。
それが経験したことのないものだったら、
それを信用するほかありません。
確かめようがないですからね。

幸いアレクサンダーさんは4冊の著書を残してくれています。
直弟子だちが残したアレクサンダーさんの言葉も残っています。

改めて、学ぶときに使っている言葉、
この文脈を調べていく必要がありますね。

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