「野口晴哉さん」から考えたこと
創始者野口晴哉。
「病とは治療するものにあらず」
そのお孫さんにあたる方との対談記事です。
アレクサンダーさんと仰っている部分が多く重なります。
治療したら別の症状が出てきて困った方の話や、
診療に来た方に何もしなかったら、勝手に良くなって帰っていった話。
どちらも本当に興味深い話で、
私がレッスンするときにも気をつけておきたいことでした。
「自分で治すしかない」んです。
病気でも何か困ったことでもなんでもそうですが、
自分以外治せる人はいないんです。
これは薬が直してくれるわけでもなく、
ゴッドハンドを持つ治療家が治してくれるわけでもなく、
自分自身の回復力で治すしかないんです。
薬やゴッドハンドその他のものは、
その自分自身で治すために補助的に働いてくれるだけなんです。
私がレッスンでやっていることは、私自身を含めたほとんどの方が損なってしまっている
自分自身の生命力を取り戻すお手伝いをしているだけです。
(まだまだ修行が足りず、ですが。。。)
病気と言われるものも、あなたが
症状が出るまでにやってきたことの結果にすぎません。
ということは、
その症状が出るようなことをしてきた
原因は何かを探ることが一番初めにやるべきことで、
症状をなくすことが初めにすることではありません。
単純に姿勢が良くなれば
色々改善することは多いです。
人間には内臓が入っています。
姿勢が悪いと、
中に入っている内臓が動きづらい。
本来あるべき姿勢に戻してあげるだけで
色々なことがよくなります。
例えば私たち管楽器奏者にとって
肺はかなりの関心ごとです。
姿勢が悪く肺が圧迫されていたら
本来あるべき働きはできません。
ここで一つ重要なことを。
「姿勢が悪くなっている」のではありません。
自分自身で姿勢を悪くしているということ。
誰かが姿勢悪くしているのではなく、
他ならない、自分自身がそうしている。
自分でやっているのだから
それを自分自身でやめるしかない。
どこかの誰かがやってくれる、ではなく
自分自身でやめることができる。
実際にアレクサンダーさんは
ご自分の生徒に放射線を当てて
実験をしています。
(時代ですよね、今だったらこんな実験できませんもの)
姿勢が悪い時と、姿勢が良くなっている時との
内臓の動きを見てもらっています。
結果はもちろん、姿勢がいい時の方が
動きが良かったそうです。
姿勢が良くなっている時って
本当にいい感じなんですよ。
これは本当に味わってもらいたいです。
姿勢を良くしている時ではなく、
姿勢が良くなっている時です。
アレクサンダーレッスンが進むと
自然と姿勢が良くなってきます。
(理由はきちんとあるんですがまた別の機会に。)
人間にはピッタリ感というものがあります。
お隣にいるその方、頭で考えた結果
お隣にいることを決めたわけじゃないですよね。
お気に入りの何かも頭で考えた結果
お気に入りなわけじゃないですよね。
ピッタリ感という不思議なものが人間には感じられる。
なんだかわからないけれど、
自分には必要だと思う。
解剖学者の養老孟司さんが対談本で仰っていたことなのですが、
オウム真理教の信者の方は
尊師は水の中に1時間潜っていても平気だと本当に信じていたそうです。
でも、私たちの実感としては
「それはできない」ということはわかります。
ある意味頭の良い方達はその実感をよけておいて
頭でっかちに信じることができるらしいんです。
実感を置いて置けるんです。
ピッタリ感を置いて置けるんです。
巷にあふれている
これがいいあれがいいも同じかもしれません。
自分の実感をきちんと確かめておくことは
本当に本当に大切です。
頭では色々考えるけれど、
自分の身体という実物から考え始めることが重要です。
感覚って信じられないことあるんですけどね。