いぬ。本能。
アレクサンダーさんの著書に
犬の行動についての話が載っていまして。
閉じられた部屋に入れられると、
犬はなんとか外に出ようと、色々
あーだこーだ、します。
それは習慣に従い、足でつついたり
鼻先でなんとかしようとしたり、
噛んでみたりとします。
部屋から出るという目的に向かって、
習慣的行動の中から
試行錯誤を繰り返しているだけに過ぎません。
本能的な行動とも言えるかもしれません。
これは部屋から出るという目的のために、
自分をどう使っているのかではないということです。
ただただ目的に向かって試行錯誤している状態です。
これでは、今回はできたけれど、
次もできるかどうかはわからない。
そこに話が行ってしまいます。
アレクサンダーテクニークで学ぶことは、
そもそもの機能水準を向上するようにすること。
一番読まれているであろう著書のある章の終わりにこうあります。
「After I had worked on this plan for a considerable time, I became free from my tendency to revert to my wrong habitual use in reciting, and the marked effect of this upon my functioning convinced me that I was at last on the right track, for once free from this tendency, I also became free from the throuat and vocal trouble and from the respiratory and nasal difficulties with I had been beset from birth.」「 The use of the self 」より。
(これが一文って、長いですよね。)
自身のテクニークを実践していった結果、
間違った習慣的な使い方をやめることができ、
問題となっていたのどや声、呼吸器や鼻の症状が改善していた。
だから、正しいと確信したんだ。
そう書かれてあるんです。
問題となっているものを直接問題とせず、
間違った習慣的な使い方、反応をやめることで、
結果的に問題がなくなっていたというわけなんです。
これが機能が向上することによって起こった
アレクサンダーさんの場合のお話です。
もちろんこの前段には、
のどや声の問題を直接改善しようとしていた時期があります。
しかし、それだけではダメで、、、と続いていくことになり、
テクニークの開発に至ったわけです。
自分がやろうとしていることは、
思っているようにはできていないかもしれない。
これに気づいたことで
テクニークを大きく前進させることができたんです。