意図していない動き③ やめたいのにやってしまう。
やりたくなくても、やらないと決めても、やってしまうこと。
歩き出すときにどちらの足から出しますか?
特に決めていなくても大体同じ方の足から出すのではないでしょうか?
いつもとは違う方の足から出すと違和感がすごいと思います。
習慣的な動きって何も考えなくてもできるようになっているから便利なんです。
考えなくてもできるので、その分他のことにまわせる。
車の運転なんかもそうですよね。
アクセルブレーキの位置をいちいち確かめていたら安全運転なんてできません。
どんどん考えなくてもできることが増えていくので、周りに気をつけて運転できるようになります。
自分の動きや考えも同じで、
自動的にできてしまうことがどんどん増えていくので、
色々できることが増えていきます。
演奏も同じです。
何も考えなくてもできることが増えていくので
いろいろなことができるようになり、曲が吹けて
さらにどんな風に吹こうかなんてことも考えることができるようになります。
できることが増えていくのはいいのだけれども
考えなくてもできることの中にやめたいことができたり、
先生などにそれやめたほうがいいよ、なんて言われた時どうしましょうか?
考えなくてもできてしまうことはもう意識すらしていないことが多いです。
自分ではやっているつもりもないことだったりします。
それを指摘されて、さて、どうしよう。
まずは、指摘されたことをやっているかを確認することから始めます。
もう考えなくてもできてしまうので、やっているのか確認しようとしても
自分にとってあまりに馴染んでしまっているので、
なんの違和感もないことが多いです。
注意深く何回もやってみるとわかるかも知れません。
以前にも紹介したのですが、わかりやすい例なのでもう一度。
クラリネットでは人差し指だけのラの音から全部押さえるシの音に移ることが難しかったりします。管内の息の流れの変化が大きいことと、リードの振動する位置も変化するためです。
この時に息を止めて改めて息を入れ直すという解決方法で吹いていた方がいたんです。ラからシに移るときに息を入れ直していました。
このことを伝えたのですが本人は全く意識しておらず、
何回かやってもらって「ああ、やってますね」と。
言われて何回か確かめてやっと気づけるくらい
自分にとってはなんの違和感もないことになっているんです。
息を入れ続けて吹いてみてと言ったのですが、やっぱり息を入れ直してしまう。
何度かやってみて、息を入れ続けながらラからシに移ることができるようになりました。
その方にとっては、意図せずに見つけ出した解決方法なんですよね。
意図せずにできてしまったものは意識すらしてないことが多いです。
これって色々なことにも言えるかも知れませんね。